10日(土)に、延岡で詩人や絵本の翻訳、エッセイなどを書いているアーサー・ビナードさんと木坂涼さんの講演会があり、いってきました☆
アーサー・ビナードさんの本は、我が家によく置いていたので読んでいたんですが、
最初に紹介されたのが、
『ここが家だ』
1954年のビキニ湾の水爆実験で被爆した第五福竜丸をテーマにしたベン・シャーンの絵に、アーサー・ビナードさんが文章を書き、本になりました。
ブック・トークの中に、アーサーさんの反原発のメッセージがありましたので、紹介します。
<原発について>
原子力発電所は、もともとはマンハッタン計画でプルトニウムを精製するための原子炉と同じである。
核兵器の製造機を、コマーシャルにより「電気を生み出す」というイメージにすりかえているだけである。
世間はイメージをすり返られていことが多く、非常に危険がある。
自分で真実がどこにあるのかを見る目が重要である。
今回の話を聞き、唖然となりました。
震災があっても、原子力発電所を使おうとする国、そして、その大元が長崎に落ちた原子爆弾を作るためのものであること。
そのことを鵜呑みにするわけではありませんが、自分の目で、しっかりと、原発とはなんなのか、見定めなければいけない、そのうえでの反原発の意識を持つことが大事だと感じました。
そんな、真面目な話もある反面、言葉・・・日本語に対してとても素敵な考えをもっています。
『ことばメガネ』・・・は、普段見慣れている物を改めて「英訳」するとどういった意味になるのかというもの。
横断歩道・・・は、
zebra crossing(しまうま・・・ですね。)
トンボ・・・は、dragonfly(ドラゴン・・・竜ですね。)
ことばって視点を変えると面白いですね♪
また、アーサーさんは、「ふしぎの国のアリス」も訳してるんです。
本にサインをもらったときの話です。
「『不思議の国のアリス』では、お茶会をする場面があるんだけど・・・」(うんうん、知ってる♪)
「原文では”UNBIRTHAY”ってなっているんだけど、要は誕生日じゃない日ってことなんだ。」
「これを日本語で訳すときに何て訳すかな?」
・・・・う~ん・・・・・「誕生日じゃない日」・・・はありきたりだし・・・・・
「アリス・イン・ワンダーランドでは、”なんでもない日”って訳しているんだけど、僕だったら、”誕生はない日”(たんじょわないひ)って訳すね♪」
う~ん。さっすが。向こうの造語を、真面目に訳そうとするのではなく、造語をつくるか。
でも、原文本来のユニークさはピッタリだ!!
反原発に対する強い信念、行動、そして言葉に対する誠実さ、そしてユーモア。
アーサーさんの魅力に惹きつけられた一日でした。