山にのぼる 黒木郁朝さんの版画です。我が家の玄関で、毎日見てから家を出ます。



2012年7月30日月曜日

社会福祉士会中央ブロック意見交換会

今日は社会福祉士会中央ブロックの意見交換会に参加。
とりあえず、忘れないうちにその報告☆

参加者:6名
今日は市内の少し外れの特別養護老人ホームで意見交換会。
たまには、こういった形で資源の場所を知りながら会を開くのもいいかなって思いました。
<スケジュール>
前半30分 VTR
『福祉ネットワーク 地域包括ケア』について、富士宮市の事例を30分のビデオを鑑賞
その後90分 
 包括ケアとソーシャルワークについてそれぞれの立場から日ごろ思うことをディスカッション。

<富士宮市の特徴>
・一体型の相談窓口体制
 地域包括支援センターが相談窓口となり、介護保険だけでなく、障害福祉や児童福祉、生活保護や就労相談まで一体的に相談に応じている。
 特徴としては、ソーシャルワーカーが相談内容に応じて各行政窓口やハローワーク、社会資源に相談し、制度につなげたり、支援体制づくりを担っているところ。相談者に相談窓口を回らせるのではなく、相談員が相談窓口を回っていく体制なども特徴としてある。
包括支援センターの主な役割である、介護保険(予防)のケアプラン作成などの業務は嘱託を配置して、専門相談員が個別支援に専念できる体制を作っている。

・行政改革としての包括ケア体制づくり
 富士宮市長が率先して行政改革として包括的な相談窓口づくりの旗振りを唱えたことが、現場での「活力」につながったのではないだろうか。個々人の能力もあるが、その能力を発揮し蓄えていくためには組織環境づくりがとても重要となる。人員配置においても、人員削減の反面で、必要なところにメリハリつけて配置する志向も重要。
 相談員のスキルアップと相談機能の充実、組織体制の効率化が「良い」循環になっている。

・市民の力
 相談員のインフォーマルな資質・ネットワークを活かした相談機能や地域住民・資源のネットワークづくりも行っていること、それを評価することなども大きな特徴ともいえる。

<意見交換>
①縦割りの弊害・ジレンマ
・行政の縦割りにより、「これはできません」が前面に出てしまい、相談内容にあった先を探すことも難しい。「今、ないもの」に対して、みんなで考えていこうといういう機会を持つこと自体も難しい。
・行政窓口は縦割りで、包括支援センターには「委託」としておりてくる。委託の内容は包括的な相談なのに、財源面などは縦割りのごく一部のところで出されている。「縦割り」部分から「包括的に」という投げ方はおかしいのではないか。
・介護保険や医療保険、障害福祉サービスなど制度はいろいろとあるが、困っている本人さん方は、それらすべてに重なって「困難」を感じている。一体的なかかわりが重要となる中で、結局、一番身近で関わっているケアマネージャーや包括支援センター職員が、介入から関係機関への働きかけまでおこなわなければいけない状況がある。
・逆に掘り起しをすることを消極的に捉える関係機関があったりすると、それだけでも疲れる。
②課題を共有する「チーム」づくり
・うまく関係協力機関とチームをつくって一緒に考えていくことが、実践現場では大切になる。
・チームの調整は主にケアマネージャーや包括支援センターなどになるが、課題によって学校教育機関などになることもある。 
・それぞれが知恵を出し合い、「120%」まで幅を拡げあって、支援体制を組めたときは、「やった!!」と思える。
・特に、周囲の地域住民の方々の力を得られると、支援が非常に進む。日ごろからの関係が不可欠となる。
・そのためには、日ごろからの「顔の見える関係」が重要であり、その点、富士宮市では、日常的に包括支援センターが各相談機関に顔を出す「事例」を持っており、日常的に相談する材料があることが、よりチームづくりを促進させているとも考えられる。
③その後の継続につながる「チーム」育て
・組織でも、特定の人に頼り過ぎて、いなくなった途端に、だれも状況がわからないことがある。組織、支援体制の継続を考えるうえで、情報・役割の共有化にも取り組む必要がある。
・「縦割り」体制の中での弊害ともいえる。縦割りの中で、情報や方向性などを共有する横の「輪」の体制が必要であり、それが「共有化」だろう。しかし、日ごろの業務の中でおろそかになりがちである。専門的な柱を設けることも重要だが、柱をつなぐ「輪」も重要ではないか。

③相談支援者への支援体制
・相談機関によっては、単一機関で対応しなければいけない相談支援もある。(電話相談など)
 その際に、相談者のジレンマや迷いを支える環境が重要となる。

・・・つらつらメモになりました。
結論としては、
包括ケアのカギとして、「縦割り(専門分化)」の柱と、それをつなぐ「包括ケア(ジェネラリスト・ソーシャルワーク)」が重要であること、地域の中でチームの「作り方」「育て方」のスキルが必要であること、などがあるのではないかと思います。
とりあえず、お疲れ様でした☆

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