今日は一日研修に参加しました。
大阪で活動していた時に度々お世話になった団体が宮崎で講演するということで、『これは聞かねば!!』と行ってきました。
①大阪市のNPOの精神障害者支援の実践報告(事業展開・ピアサポート活動)
当事者同士の支えあいに価値を置く「ピア」の理念および、支援実践者としてどのように関わっていくかという話を、団体の活動実践の経過と実践を通しての学びを中心に話してくださいました。
<ピア・サポート>
私も精神障害者の地域生活および支援においてピア・サポートは不可欠なものだと思っている人間の一人です。「同じ体験を持つ『仲間』として」の関係は、他者では計り知れない奥深さを持っています。その体験を持たない支援者(私)がどう関わるかは、私はすごく悩んでいましたし、今も悩んでいます。
今回のお話を聞く中で、新たに感じたこと、改めて感じたことがあります。
①ピア・サポート以外の支援の充実
ピア・サポートは重要だと先に言いましたが、決して『ピア至上主義』ではありません。
ピア・サポートを必要と感じない人や、拒否的な人は、当事者の方々にも支援者の方々にもいると思いますし、それが当然だと思います。そこで支援者が重要なことは、ピア・サポート以外の支援に力を入れることだと思いました。
普段の相談支援や未受診の方への訪問支援活動や多職種のネットワークづくり、危機介入・・・・などなど。
というのは、ピア活動において、当事者の間にも活動に賛同する人と賛同しない人がいる。その溝を埋め、当事者間でのコンフリクト(衝突)を生み出さないことが大切だと感じるからです。それは、私自身、反省すべきところだと思います。
また、地域の民生委員の方々をはじめ、「困っている」対象の多くは、ごみ屋敷であったり、急性期状態や未受診状態などが多いですが、それは当事者だけでなく、医療や保健福祉の専門職の役割が大きく、その部分にまで「ピア」に期待されることもまた問題なのではないかと感じるからです。
それらの相談支援を整えながら、ピア・サポートがより活きるような環境をつくっていくことが重要なのではないかと思いました。
②けん引役のピア・サポート
当事者の語りによる啓発活動や相談活動は、「する」‐「される」の関係というよりは、「し合う」関係であり、お互いにとって意味があるという考えがあると思います。また、ピア・サポーターが他の当事者にとって、就労や生活など生き方におけるロールモデルになり得るという話もありました。
しかし、それだけでなく、彼らが語り活動していくことで、地域の一人ひとり、支援専門職者にとっての普及啓発に大きくつながると思います。
聴衆は話を通して、「話し手」ではなく、自分たちの身の回りの「精神障害者」をイメージします。当事者講師は自分たちの語りを通して、「精神障害を持つ仲間」全体の理解を底上げし、けん引する存在なのではないかと思います。
③財政確保
なんにおいても、やはりお金が要ります。助成金や事業予算など、財源を確保する取り組みが大事だろうと話されていました。これは自分自身の課題ですね・・・。
午後からは、イタリアの社会協同組合B型の映画『人生、ここにあり!!(原題:やればできるさ)』の上映がありました。2度目ですが、非常に良かったです。
前に観てから、京都の学会でお師匠さんと話をしたことを思い出しました。
映画の場面で、当事者が「練習する」機会を設ける場面がありました。
床の寄木をするときに、マネージャーの親戚の家や自分の家で練習をする場面です。
最初から「仕事」として100%達成させるのは難しいわけで、それなりに練習が必要です。
その機会と成功体験を積み重ねていくという取り組み方は活動するうえで重要だと教わりました。
同時に、そこで教えてくれる職人の方など、人脈が大事だということも合わせて思いました。
イタリアの組合つながりだからできるのかもしれませんが、必要であることに代わりはないので、それを支援者はつくっていく必要があると思います。(自分への内省です。)
この映画はとってもイイです!!ぜひ、一度ご鑑賞ください。(残念ながらお店のレンタルには出ていません・・・。)
イタリアの精神医療保健福祉について
佐藤 紘毅, 伊藤 由理子 編『イタリア社会協同組合B型をたずねて―はじめからあたり前に共にあること 』
大熊一夫,『精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本』
最後に、司会の方が言っていたことがちょっと頭に残っています。
「(精神科病床の削減など)『ダメだダメだ』と非難しても変わらない。それを必要としない地域社会を作っていって、自然にその『必要』がなくなることがとても大事。その活動をしていこう。」
とりとめなく書いちゃいましたが、今のところ、以上です。
これから、少しずつ読み直して、整理していこうと思います。
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