山にのぼる 黒木郁朝さんの版画です。我が家の玄関で、毎日見てから家を出ます。



2012年2月5日日曜日

研修報告:ソーシャルワーク実践講座

ソーシャルワーク実践講座に行ってきました。
主催:宮崎県社会福祉士会 中央ブロック
場所:西都市

①アウトリーチ事業のガイダンス
平成23年度より宮崎県が児湯郡を対象にモデル事業として取り組んでいる『アウトリーチ事業』の事業紹介および事例の紹介がありました。
早期発見早期治療に焦点を当て、医療につながっていない人、受診しない期間が5年以上続いている人など、若年層を対象に関係機関からの相談によって、医師・看護師が介入します。
医療機関の方も、受診・入院は患者との契約関係であるから、未受診、受診拒否などの方への関わりが弱くなるという課題があるということです。その課題を行政、医療機関、民間が連携し、多職種で取り組めることはとても意味があるように思います。
特に児湯郡は、平成21年に県立精神科病院が閉院になったことで、精神科の医療機関、病床も少ない現状があります。その状況に合わせて、アウトリーチという形でとりくんでいくことは重要なことだと思いました。
②西都病院からの精神科病院の役割、精神疾患の説明
西都病院は西都児湯管内で数少ない精神科病床のある精神科病院です。病床の割合を見ていくと、認知症病床、および合併症対応(精神科だけでなくほかの病気の治療が必要な場合)の療養病床が増えていっているように思いました。最近、医療機関に以前のような代表的な統合失調症の新規の受診って本当に少ないんですって。クリニックなどに通うようになっており、病院のほうにはパーソナリティ障害や発達障害などが増えているらしい・・・。
また、地域で生活する精神障がい者に対して、通い型のデイケアと訪問型の訪問看護を用意し、生活状況や病状、目標に合わせて関わっているほか、民間の訪問看護ステーションや障害者支援の実践者との連携を図っています。
地域から病院に入院させることで、地域との関係が断絶されること、また、家族・地域からそれを望まれることなどの問題などもあがりました。本人ではなく病気がそうさせていることの理解を広げるための活動が今後も必要であるようです。
③ボランティアの立場から
ボランティアでひきこもりや精神障がい者の支援をおこなっている515fieldの黒木さんからの話がありました。地域で支えていくことの覚悟や、所属ではなく、「人」対「人」の関係でやっていくこと、日常的な当たり前を大事にすることなど、専門職に対しても、地域住民に対しても気づき、反省が得られました。

その後は、簡単な事例をもとに参加者で事例研究的な意見交換をしました。
そこで、

ⅰ)エコマップの作成において、所属でマッピングするけど、その前に、それぞれの名前を入れてほしい。
(所属でマッピングすると、所属の責任の範囲内でしか動かない。その人の生活を支えようとする個人として名前を出した関係を作っていくべき。)

ⅱ)関係者だけで考えるのではなく、地域住民の理解が大事ではないか。事業者だけで話し合っても、結局、残っていくところは近隣の地域住民が毎日の日常の中で支えていかないといけない。ないがしろにしないようにしてほしい。

ⅲ)地域住民に話を持っていきつなげるまでのコーディネートが大事。

ⅳ)ケアを考えるとき、「本人の希望」といって、それに伴う環境の課題に目を背ける傾向も見られる。どんな環境の課題があるのかを本人にも分かってもらいながら、一つ一つ克服したり、希望に折り合いをつけたりすることも必要。

そんなことが話されました。福祉の実践者、包括支援センターや社会福祉協議会、医療ソーシャルワーカー、行政、ボランティア、民生委員などなど、さまざまな立場の人が一緒に話し合えたことが何よりも大事だろうと思います。
今後の実践に対しての反省も含め、非常に勉強になりました。
こんな感じのケア会議をおこなっていけたら・・・とイメージをもてました。

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