山にのぼる 黒木郁朝さんの版画です。我が家の玄関で、毎日見てから家を出ます。



2012年2月26日日曜日

放っておくということ

今、うちの実家に祖母が来ています。
母親と祖母と老犬の暮らしに、週末、ちょっとおじゃましてきました。
祖母は富山で暮らしていましたが、この冬場の一人暮らしは大変ということで、
はるばる宮崎に。
母親もいるし、安全安心といえば確かにその通りではあるが、
知らない土地で知らない家に来ても、何もできないのがよく分かります。
私自身も「自由に過ごして」とは言われても、ひとさまの家でなかなか「勝手」はできないもの。
その中で、何もすることもできず、ただ座っていると、どんどん頭の中は混乱して認知症のようなことまで現れてくる。

祖母にとってみれば、長い旅行で疲れ混乱しているようにも伺える。

そう考えると、不便ではあるものの、自分の暮らしがある土地で自分なりに暮らしていくことが、「その人らしさ」を支えていく一番の暮らし方なのだろうと感じました。

仕事上、施設入所や入院、親族の引き取りなどで暮らしを移す調整をすることがたびたびあるが、
その人の「暮らし」は、住み慣れたところにおくこと、周りが一方的に考えるのではなく、自分の中で限界との折り合いをつけていくことが大事なプロセスだろうと思います。

母親と話。
「一番、自分らしく、自分のことをはっきりと分かりながら年老いていくにはどうするのがいいかしら。」
「放っておくこと。自分で自分のことを考えられて、動けるうちは、周りは放っておきながら見守ることちゃうかな。」
「やっぱりそうよね。私のことも放っておいてね。どんなに一人暮らしが大変そうでも、とことん放っておいてくださいね。」

・・・なかなか難しいことをおっしゃいますね。
そんな話をしながら、夜が深くなっていきました。

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